ごくせん
April 30, 2005
ごくせん2 第9話

感想のためにいつもネタを探しながら見てるんですが、中盤までは
ヤンクミ 「言えばいいじゃないかよ、思ってることちゃんと!」
んじゃあ言うぜ!大好きだー!
ヤンクミ 「うちに来い!」
婿にでも何でも!
…とは絶対言ってはくれない竜くんでした。
竜 「--- そこ、お前ら。勝手なアテレコすんな。」
という、隼人達と竜の馬鹿な掛け合いで漫画を書こうとしてました。
と言いますか出来れば両方書きたかったのですけど、時間的に色々無理があって挫折^^;
今回はひたすら竜@亀梨のプロモのような一話。
どの場面も竜が可愛いわ、傷ついてたそがれてる表情が色っぽいわでくらくらでした^^
助けに来てくれた隼人たちとの友情にときめいたり、まるで亀がお姫様のようでしたり、とにかくツボだらけ(笑)
それにしても次回で最終回だなんて。
ええもう、言いたいことはこれだけです。 「慎ー!」
はい、どうにか最後くらい出てきてやって下さい>_<。 そして4人目発言を有言実行して下さい。
April 28, 2005
April 27, 2005
ごくせん2 第7話
『そ、そばや』
『あ、あ、あっちのそばやー!』
「って。何してるんだよな、俺ら」
「元はと言えば、お前が口を滑らすからだろ」
「お前こそ両手叩いて馬鹿なギャグを盛り上げるなんてな。クールな竜が泣くぜ」
「黒銀の隼人こそ、吹き矢にやられてたじゃねーか。恥ずかしー」
「・・・」
投げやりに一通り言い合うと、沈黙が落ちた。
階段の中2階、足を投げ出して、ぼんやりと天井を見るとはなしに見遣る。
「・・・らしくねーよな俺ら」
「最近本当何やってんだか」
「ったく、あいつが来てから調子狂う」
毎日が馬鹿馬鹿しいまでのお祭り騒ぎ。
うざったく思うことはあっても、それでも不思議と嫌でなく。
「恋って・・・恥と同義なのね…!」
は?と、反応することも出来なかった。
ただ唐突に降った、場違いなほどに乙女チックな声。
二人同じタイミングで見上げると、階段の上で一人、まるで舞台のように胸の前で手を合わせて、虚空に向かって話している。
「恋をすると人はいつだって、今までの自分ではいられなくなるんだわ。ああ、私ったらどうしてあの人の前では何もちゃんと言えなくなってしまうのかしら」
空に手を延ばして叫ぶ。
「ああ愛しの哲さん・・・!」
よよよ、と儚く泣き崩れながら、向こうの廊下へと姿を消したのは英語教師の白鳥。
「何だったんだ・・・?」
「さあ」
呆けたまま見送ると、再び脱力したように壁に体重を預けた。
微妙な落ち着きのない心地が胸に疼いたことには、二人、まだ気付かないまま。
「恋・・・?」
「冗談」
隼人の誰にというわけでもない呟きを、一言で切り捨てる。
「あ!見つけたぞお前ら!掃除当番だろ。さぼるな〜!」
聞き慣れた年甲斐のない賑やかな叫びを背に、苦笑し顔を見合わせ、窓から身を踊らせた。
あっ、と悔しそうに窓から身を乗り出した二つくくりの女教師へと、笑いながら振り返る。

「まだお前には、捕まってやらねーよ」
二人の声が重なった。
---------------------
だんだん、感想という名の創作になってる気がしますが^^; 結局もう心は捕まってるんでしょうけれど、
2人ともまだ無自覚でいてくれると可愛いv
とにかく最初のヤンクミの実家のことでの、隼人と竜のうろたえっぷりとフォローの妙に笑いました。
2人共、 可 愛 す ぎ る ・・・!^^
次回、クマがまたスポットあたるんですか!? うわわ、是非この機会に慎にも触れてやって下さいませ…!
April 26, 2005
ごくせん2 第6話

鈍感なのは、幸いなのか不幸なのか(笑)
制服を脱いで触れられるようになっても、道はまだ遠いです。
6話
ヤンクミの実家が、竜&隼人に同時にばれちゃいますの回。
何だかんだと本当に親切な2人が微笑ましい^^
久美子を宜しく・・・!とおじいさんが頭を下げるのは、やっぱり二人に向かってよりも1人の方がインパクトありますね。
前作で慎一人に言った時は「ほら慎っ、もう公認だよ!嫁に貰えるぞ、というか今すぐ貰え!」とか拳を握った覚えが(末期)
というわけで、今回思わず慎が竜牽制漫画とか描いてしまいましたが、如何せんまだ竜が無自覚なので、この程度のノリですいません、という以前に感想漫画ですらないですね…?^^;
April 25, 2005
ごくせん2 第5話

前回の土屋PUSHに打って変わって、武田君が可愛かった!の回でした。
いえ本気で武田君のほうが顔可愛かったんですけど・・・!(笑)
矢吹「お前去年チョコ何個貰った?」
竜「さあ、20個ぐらいじゃん?」
矢吹「まあ俺は22個ぐらいじゃん?」
竜「あっそ、俺やっぱ30個ぐらいだ」
矢吹「俺、おばあちゃんが45個って言ってた」(何でおばあちゃんが数えてるのさ!?笑)
竜「俺、67個って言われたなあ」(誰に言われるのそんなこと!)
「あー、俺84個だ」(何でそんな端数なの)
チョコの数を競い合う二人に爆笑。可愛いすぎる・・・!^^
ってかこの二人もうセットというか、2人で一人でいいですよね? ヤンクミにお金払わせちゃう手際の一致といい、
いくら元キャラが1人(原作から慎)だからって、息が合いすぎです(笑)
飛び出そうとする時も一緒、「駄目だ!」振り向く時も一緒、次のヤンクミの実家のことがバレるのも一緒^^;
あと、土屋たちのノリが素敵v 土屋(もこみち)は前の成宮の位置づけに近いですね。好きです
April 24, 2005
April 20, 2005
ごくせん2 第3話

「ってかお前センコーなんだから、普通に引き取りに行けよ」…ごもっともで(笑)
自転車二人乗りなんて可愛い犯罪ですね、前シリーズに比べると。
「お上には逆らわねえんじゃないのかよ」
抑えられてる抑えられてる(笑)
「悪かったなあ、面倒かけて」
うわあ、めっちゃ可愛いよ皆!
チャーシューなんて!
でも、亀も赤西も懐柔されすぎ?どうしたの皆。
東幹久、相変わらず哀れ(笑)
以上が見ている最中に、友人へ打ったメールだったのですが^^;
今回の3Dの悪ガキグループは、基本後ろの席の5人なのですね。
でもラーメン屋さんでのチャーシューのやりとり(可愛すぎですv 特に小田切だけ妙に最後嫌がってたのが・笑)といい、結構既に懐柔済み?
つい、前回の白銀の皆よりも、先生への反抗度は低めに見えちゃいますが・・・、まだまだ何か問題は起こるのかしら。
矢吹と小田切がはめられるの回ですが、今回ので矢吹=ちょっと調子のいいリーダー、小田切=冷静タイプの副リーダー、といった印象で固まりました。
あの犯人探しの絵の件で公園にて一人、ヤンクミの後ろに立ってて、皆が一通りしゃべり終わった後、背後からすっと、呆れたように 「こんなんで見つかるかよ」
と、小田切の立場が完全に前回の慎・・・!
うわわ、つい小田切&久美子に眼が行ってしまいそうになります。早く慎、帰ってきて…^^;
ジュノンのインタビューで監督さんが「今後前の3Dメンバーの登場予定は?」に対して「放送をお楽しみに」とのことだったので、もしかしてそのうち・・・?と期待せずにいれませんv
それにしても確か、前も学校辞めて不良してたのも「工藤」って名前だった筈。ごくせんにおいて、「工藤」は不良の代名詞なんでしょうか(笑)
April 17, 2005
ごくせん2 第2話

小田切(亀)と矢吹(赤西)の仲直り話。
もっとこの2人のすれ違いは続くのかと思っていましたが、早2話目で和解してしまいました。
あら、じゃあこの後は一体どんな事件が?というか、この2人が仲良くなったら大概の問題は片付いてしまいそうなんですが^^;
ああ、でも亀の実家の問題もありましたし、まだまだ2人の意見のすれ違いとかも出てきちゃったりもしたり、他メンバーの事情とか事件も起こりそうですよね。
で、赤西&亀の2人がポスト慎なのかと思ってましたけど、キャストの並び順や今回の役割などを見てると、どちらかと言うと、小田切(亀)がポスト慎…?
と思えたので、こんなの描いてしまいました^^;
久々に慎を描いたら髪の毛の難しさに驚きました。
そういえば、彼は大抵ありえないような髪型をしてくださってました松潤(笑)
ええ、もう是非アフリカからの帰還を願ってますv
今回、武田君(小池くん)がやたらと可愛らしくてときめいたりもしてました(笑)
>追記
自チームにゴール決めてる久美子に、「同じチームだろ」と突っ込みいれてる亀の姿に、慎が被りました。
うう、こういったやりとりが激しくツボなだけに、小田切&久美子に惹かれそうなところを、必死に慎を呼ぶことで抑える日々です^^; どうしましょう、このまま小田切&久美子に流れてしまいませんよう自分に言い聞かせねば(笑)
April 16, 2005
ごくせん2 第1話

「知らない間に声も大きくなってた!」
猿渡教頭のこの台詞にまず爆笑^^ とにかく教頭とのやりとりが懐かしくって頬が緩んでしまいました。
失恋って、前回の恋(刑事さんのも、慎←こっちが個人的に大推薦v)も実は叶っていたのに、何があったんでしょう^^;
う〜ん、全体的に前回の設定は大部分は抹消されていそうですね。
猿渡教頭が、前回の最終回で改心したのもなかったことになっちゃってますし…(またクズ呼ばわり ;_:)ちょっと寂しいです。
クマは出てきてくれてましたが、慎もどうぞゲストでお願いしたいv
今度のヤンクミの憧れの相手は、別の学校の先生。
あの先生なら前の刑事さんや、東幹久の方がをお勧めしたいです(超個人的意見・笑)
今回のメインはジャニーズのKAT-TUNの、赤西と亀梨。
前回の慎の役割を、2人で割って持ったという状況みたいで。
何だかんだと心の底は、いい人な生徒達なのは変わらず、懐柔されちゃってる亀ちゃんが可愛いですv
クマがどうやら色々サポートしてくれそうな状況で、前作ファンには嬉しいですけれど、そのうちどうか手に負えなくなったら、慎に連絡とって来てもらってください! ってひたすら慎に出てきて欲しいオーラしか出てない感想ですね、すいません〜^^;(だってやっぱり慎クミ好きなのは止められない)
とにもかくも、楽しいノリは健在のようですので、ヤンクミと教頭のツッコミ合いを毎回楽しみに、見て行きたいですv
絵は久美子&小田切(亀梨)。何となくもし前回で慎クミに嵌ってなければ、この2人の絵図を気に入っていた気がします^^
KAT-TUNコンサートまで行ってしまったことのある身としては、赤西&亀ちゃんツートップは嬉しい状況ですし
April 28, 2003
ごくせんSS 〜 「変わらないモノ」
心臓が張り裂ける程、激しく打っている。
今までの生涯、こんなに走ったことは無い、いや、これは走っているから,、だけではない。
こんなに頭が真っ白になるくらい、死にそうな想い。
一刻も早く、あの扉に辿り着かなければ。
アイツに何かあるくらいなら、自分が代わりに・・・

声にもならない叫び声と共に、白いドアが開けられた。
限界の体を必死に動かし、この1年忘れたことなどなかった顔を探・・・
「よっ、沢田!」
探す必要も無く。
目の前にある満面の笑みを浮かべた彼女の姿に。
血が沸騰しそうな程に酷使した体が一気に固まった気がした。
「慎ー!久しぶり。1年ぶりか?」
「ホラな、飛んできたぜ」
「言ったろ?ヤンクミのことになると慎、高3ん時から血相変わるもんな〜、何で当時オレら気づかなかったんだろ」
「ホント、俺らお子様だったん・・・」
と、そこで病室の隅ではしゃいでいたウッチー、野田、クマ、南が唐突に口を止めた。
背後からの無言の怒りのオーラが、襲い来る感覚。
「・・・お前ら」
アフリカで磨かれたのか、慎の眼光の鋭さは、まるで氷の矢。
「い・・・いや、こ、これはな?」
「ちょっ、ちょっと慎、落ち着け!?」
あの威圧感ある据わった目で迫りくる慎から逃げるように、反対の隅にまであとずさる。
「慎!?目がこえーよ!?」
うわー!!
という叫び声に、さすがの久美子もマズイと思ったのか、ベットから腰を浮かす。
「や、沢田。悪ィ、こいつら、私の為に勝手に−−−」
立ち上がろうと、その時。
「なっ!?おいっ、ヤンクミ!?」
反射的に抱きとめる慎の腕の中へ崩れ落ちたその体は、ぐったりしたまま。
それでも笑おうとした久美子の顔は青ざめていた。
◇ ◇ ◇
「・・・ヤンクミ、確かに危篤だって言ったのは、俺達が大げさにしたんだけどさ。本当に具合悪いんだ」
廊下に出たクマ達が、重く口を開く。
「雪の中、1Dのクラスの生徒を3日も徹夜で探し続けたらしいぜ」
「そのあと、そいつを捕まえてたヤツらとも乱闘してさ」
自分を囲んだ4人から聞かされるいかにもあいつらしい話に、慎も沈痛な表情で壁にもたれていた。
「・・・肺炎だってさ。まあ、今は助からない病気とかじゃないけど、あいつ、すぐ無理して脱走して学校行こうとするんだ。今、問題が山積みらしくて。でも、悪化したらさすがにヤバくなる」
「今日だって、ずっと連絡無かった慎が、やっと帰ってくるからおとなしく待ってただけで・・・」
あいつの力になりたいのにさ、俺らじゃ力不足なんだ。
あいつどうしても頼ってくれないんだ。
−− クマ達の辛そうな顔。そう言って、今日は皆仕事に戻って行った。
慎、お前なら。
いつもヤンクミと一緒に俺らを支えてくれたお前なら。
◇ ◇ ◇
「−−−ったく、お前は相変わらず・・・」
呆れた、それでいて愛おしそうな言葉が、眠ったキレイな顔に落ちる。
そして
「無茶ばっかりしやがって・・・」
そっと髪に触れる手。
「・・・さ、わ・・・だ」
と、起きたのかと思い、咄嗟に手を引っ込める。
「・・・アフリカで、インディアンに絡まれても、ケンカするんじゃない・・・ぞ・・・」
「アフリカにインディアンがいるかよ」
思わず寝言に即ツッコんでから、あまりの自分達のやり取りの変わらなさに、頬が緩む。
まあ、1年やそこらで変わるものではないだろうが。
自分はずいぶん長い間、この空気を感じていなかった気がする。
それだけ、大切な時間だったことを今更ながら思い知らされる。
「さわだ・・・パンダと戯れるなんてズルイぞ・・・」
「だからパンダもいねーって」
「・・・心配してたん・・・だぞ。連絡・・・くらい、よこし・・・やがれ」
と、切れ切れのつぶやき。
「どっちが心配なんだか、こんなになるまで無理しやがって」
さわだ・・・さわだ、と、夢の中でも呟やかれる度に、こそばゆい思いをしながら、ゆっくりと、久美子の頬に触れた。
連絡しなかった理由は、あった。でも。
「ばーか、こっちが心配でやってらんねーよ」
思わず、口をついて出てしまった言葉。
「だったら、そばにいてやって下せぇ」
突然返事が返ってきて、驚き振り返った先には、また懐かしい顔がいた。
「テツさん・・・」
◇ ◇ ◇
暖かいコーヒーを渡される。
ぺこりと頭を下げてから、それを受け取った。
そして、10秒間くらいの沈黙の後、隣で口が開かれた。
「・・・お嬢、今年は去年以上にトラブル続きで・・・いや、トラブル自体は、慎の字のころとそう変わらないのかもしやせん。だけれど・・・」
一旦切って、慎の目を真っ直ぐ見る。
「だけど・・・慎の字、あんたがいねェ」
「・・・オレ?」
「お嬢は言ってた。慎の字がいなくなって、初めて気づいたそうだ。自分が、どれだけ慎の字に助けられていたか」
テツの言葉に、慎はその大きな目を見開いた。
がむしゃらだった。あいつを支えたくて、一生懸命だった自分。
それでも力不足で、あいつを退職の危機にもさらしてしまったことのある、未熟さがもどかしかった自分。
「初めて持った生徒達が、はみ出し者ばかりのクラス。そんな皆をお嬢は愛し、精一杯支えた。
でも人間一人の力じゃ、出来ないことがある。 振り返ると、お嬢があれだけ3Dを暖けぇクラスに出来たのは、慎の字。 お前さんが時に諭し、時に共に殴られ、守っていた仲間達との絆という土台が大きな助けだった。慎の字が事あるごとに、皆をお嬢の方へ導いてくれたからこそ、お嬢の力が最大限に発揮出来たんだ」
・・・沈黙を落とす慎。
「・・・おっしゃりたいことは分かりやす。そう、お嬢は強い人だ。一人でも、道を照らし、切り開いていく太陽のような人だ。それはあっし達の誇りです」
そうだ、あいつは強い。
だからこそ、あいつを本当に支えられるくらい、強い男になりたかった。
連絡をしなかったのも、自分なりの夢の全貌を掴むまでのけじめ、だった。
「だが、また今回みたいなことに、しょっちゅうなられるのは辛い。
・・・慎の字、おやっさんも言ってやした、お前さん程、お嬢をよく見、理解してくれたカタギはいねえ。頼む、慎の字。夢をあきらめろなんて言わねぇ。
ただ・・・どうかたまにはお嬢に連絡下せぇ。元気付けてやって下せぇ。慎の字にしか出来ねぇ。どうか・・・どうかお願いしやす!」
立ち上がり、頭を下げるテツの影が、白い廊下に伸びていた−−−
◇ ◇ ◇
静かな呼吸の音だけが響く病室。
そこに横たわる自分にとってかけがえの無い存在を見つめる。
「オレ、一年間アフリカに行って、自分の小ささと力不足を思い知らされた。・・・いや、分かってた事だけどな・・・改めて痛感したんだ。
小学校とか立てたいと思っても、権益とか資金とか色々あってさ。皆ボロボロになって頑張ったけど、どうにもならなかった」
組んだ拳に自然に力が入る。
「そんな時、向こうの大使館に勤める親父の知り合いに偶然会ったんだ。その人もアフリカの子供らの為に、ちゃんと力を持って頑張っている人だった」
身一つでないと、見えない現実がある。 自分はそれを見、夢をみつけに行った。
そしてそれは、この一年でアフリカの少年少女達と触れ合い、まだほんの一部だろうが、見ることが出来た。
しかし、身一つでは出来ない事の大きさも知った。
あいつらを守れる力が欲しい。
「その人の話を聞いて、見て、オレのすべき事が決まった。
・・もう一度、大学受ける。親父への当て付けじゃない。・・・今度は夢のためだ。
大学で学びながら、親父の元で政治も、その駆け引きも習おうと思う。
そして、必ずあいつらの為に−−」
そこで慎は言葉を止め、唐突に,
久美子の鼻をつまんだ。
「おい」
「・・・ぷはっ・・・何すんだお前!?」
「・・・寝たふりなんかしてるからだ」
呆れたように言われ、あわてる。
「いや、これはそのだな、何で分かった!?」
「・・・分かるよ」
溜息と共に、わたわたしている久美子の頭を押さえ付け。
「ほらいいから、暴れるな。また倒れるぞ」
そう言い、久美子がベットに収まったのを見てから続けた。
「ったく、・・・仕方ないから、こうやってお前のフォロー役してやるよ。お前、危なっかしいからな」
久美子はそんな慎の台詞に、きょとんとしてから笑う。
「コイツ〜、えっらそーに」
かつてのように、くしゃっと頭をなでようとする久美子の手は、ふいっと避けられた。
立ち上がる慎の横を、空ぶった久美子の手が通り過ぎて。
その時、ふっと、何か柔らかなものが久美子の額をかすめる。
一瞬落ちる、沈黙。
「・・・お・・お前、い、今何した?」
「別に、立っただけ」
「嘘つけ!いや、嘘でもないが…お前、今、立つ時、私のでこにキ・・・」
「何?」
慌てまくってる久美子を傍目に、しれっと返される言葉。
そのポーカーファイスは、相変わらず何を考えているか分からない。
仕方なく、今のは偶然当たっただけなんだと思うことにしたのか、無理やり話題を変えるように慎を指差す。
「ま、まあともかく、せ、せっかく撫でてやろうと思ったのに、思いっきり避けることはないだろ!?」
盛大にどもりながらわめく久美子の姿に、とうとう堪えられなくなって、笑いながら言った。
「だってオレ、もうお前の生徒じゃないし?」
「お、お前、私のこと一生センコーだって言ったじゃないか!」
「ソレはソレ、コレはコレ」
あさっての方を見ながら言い放つ。
「ま、これからもお前の暴走に付き合ってやるよ」
「へ?これからも?」
「そ、ずっとだ」
ニッと笑い、出て行った慎の後、そこには目を見開いたままの久美子だけが残された。
そんな、2月のある晴れた日。
何かがまた、始まった−−
◇ ◇ ◇
懐かしい並木道を過ぎると、そこには、白い校舎が見える。
自分達26人の、始まりの場所。
「おい、久美子」
声をかけると、校庭でホウキを持ち、嫌々ながらも掃除させられている、所謂ガラの悪そうな学生の群から、長い黒髪の眼鏡の女教師が顔を出した。
「慎!?どーしたんだよ、お前・・・」
ホウキを持ったまま、バタバタと駆け寄ってくる彼女。
こういう所は、今年早36を迎えても変わらない。
「弁当」
「へ?」
「弁当忘れてってたぞ」
目の前に突き出された三重箱に、ああサンキュ、と納得したように受け取る。
「って、オイ、そーじゃなくて。お前今日から2週間、またアフリカに現地視察に行かなきゃならないんじゃ・・・間に合うのか?飛行機」
「ああ、お前のせいでギリギリだ」
「すまんすまん、ちゃんと完成してるといいな。教育施設と病院! お前、あんだけ頑張ったんだからな」
満面笑顔で言う久美子の顔を眺めてから、いつものようにフッと口の端で笑い、後ろ手に手を振った。
一方、後方では。
「何だ!?あのスーツの男」
「あ?あの男、こないだ俺が、ゲーセンでヤバイ事になりそうだった時、逃がしてくれたヤツだ。ヤンクミと知り合いだったのか?」
「何言ってんだよ。あれ、ヤンクミの旦那じゃん」
1人の発言に、一瞬の間を要した後、「何ー!?」という声が校庭でハモる。
「あいつ、結婚してたのか!? って言うか、良く貰い手がいたなあ、物好きな奴がいたもんだ」
「しかも、エリートそうなイイ男!?」
掃除なんかそっちのけに、環になって口々に言いたいことを言う1D面々。
「確か国連関係の仕事してるって聞いたような。何だっけ、開発援助とかなんとか・・」
「へー・・・っておい、何でお前そんなことまで知ってるんだよ」
「ホラ、前オレが濡れ衣きせられてサツに追われてた時、ヤンクミとあの人が、親身になって助けてくれたんだ」
「ああ、あの大事件な〜、あん時は大変だった」
「そういや、この前の夜、俺らが渋谷で教頭に見つかりそうになった時、何故か教頭を引き付けてくれた謎の男ってのも、もしかしてアイツ?」
「あん時は、顔よく見えなかったけど。あんな感じだったかも」
と、話題が散らばろうとするところを、調子良さげな少年が、より面白そうな方にまとめようと声を上げる。
「とにかく!今の問題は、ヤンクミがあんなイイ男を、どうやって捕まえたかという…」
「何言うてんの。沢田は、いや、今は山口か。アイツ、白金の卒業生やで」
いつの間にか輪の中にいた、白衣の姿に瞬時、静まる。
「うわ、川島!?いつの間に!?」
「さっきからいたやん」
「そんなことより! ってことはアレか!?ヤンクミ、教え子に手ぇ出したのか!?」
「やるじゃん!ヤンクミのくせに!(笑)」
「よーし、冷やかせー!!」
「おーーー!!!」
ここぞとばかりに楽しそうに、ヤンクミを取り囲みに走る少年達。
1D全員にもみくちゃにされる久美子の威勢の良い声を背中に、歩き出す。
「相変わらず・・・面白いヤツ」
かつての自分達の姿を重ね、慎は、満足そうに微笑した。
・・・・・変わらないものが、ここにある
(Fin)
----------------------------------------
卒業スペシャル、本当感動&感涙で素敵だったのですけれど、やはりシンクミ的にはちょっぴし物足りなさを感じてしまいました為、
自身で脳内補完してしまっていたシ ロモノがこれです。色々ご都合主義な展開で恐縮なのですが^^;
今までの生涯、こんなに走ったことは無い、いや、これは走っているから,、だけではない。
こんなに頭が真っ白になるくらい、死にそうな想い。
一刻も早く、あの扉に辿り着かなければ。
アイツに何かあるくらいなら、自分が代わりに・・・

声にもならない叫び声と共に、白いドアが開けられた。
限界の体を必死に動かし、この1年忘れたことなどなかった顔を探・・・
「よっ、沢田!」
探す必要も無く。
目の前にある満面の笑みを浮かべた彼女の姿に。
血が沸騰しそうな程に酷使した体が一気に固まった気がした。
「慎ー!久しぶり。1年ぶりか?」
「ホラな、飛んできたぜ」
「言ったろ?ヤンクミのことになると慎、高3ん時から血相変わるもんな〜、何で当時オレら気づかなかったんだろ」
「ホント、俺らお子様だったん・・・」
と、そこで病室の隅ではしゃいでいたウッチー、野田、クマ、南が唐突に口を止めた。
背後からの無言の怒りのオーラが、襲い来る感覚。
「・・・お前ら」
アフリカで磨かれたのか、慎の眼光の鋭さは、まるで氷の矢。
「い・・・いや、こ、これはな?」
「ちょっ、ちょっと慎、落ち着け!?」
あの威圧感ある据わった目で迫りくる慎から逃げるように、反対の隅にまであとずさる。
「慎!?目がこえーよ!?」
うわー!!
という叫び声に、さすがの久美子もマズイと思ったのか、ベットから腰を浮かす。
「や、沢田。悪ィ、こいつら、私の為に勝手に−−−」
立ち上がろうと、その時。
「なっ!?おいっ、ヤンクミ!?」
反射的に抱きとめる慎の腕の中へ崩れ落ちたその体は、ぐったりしたまま。
それでも笑おうとした久美子の顔は青ざめていた。
◇ ◇ ◇
「・・・ヤンクミ、確かに危篤だって言ったのは、俺達が大げさにしたんだけどさ。本当に具合悪いんだ」
廊下に出たクマ達が、重く口を開く。
「雪の中、1Dのクラスの生徒を3日も徹夜で探し続けたらしいぜ」
「そのあと、そいつを捕まえてたヤツらとも乱闘してさ」
自分を囲んだ4人から聞かされるいかにもあいつらしい話に、慎も沈痛な表情で壁にもたれていた。
「・・・肺炎だってさ。まあ、今は助からない病気とかじゃないけど、あいつ、すぐ無理して脱走して学校行こうとするんだ。今、問題が山積みらしくて。でも、悪化したらさすがにヤバくなる」
「今日だって、ずっと連絡無かった慎が、やっと帰ってくるからおとなしく待ってただけで・・・」
あいつの力になりたいのにさ、俺らじゃ力不足なんだ。
あいつどうしても頼ってくれないんだ。
−− クマ達の辛そうな顔。そう言って、今日は皆仕事に戻って行った。
慎、お前なら。
いつもヤンクミと一緒に俺らを支えてくれたお前なら。
◇ ◇ ◇
「−−−ったく、お前は相変わらず・・・」
呆れた、それでいて愛おしそうな言葉が、眠ったキレイな顔に落ちる。
そして
「無茶ばっかりしやがって・・・」
そっと髪に触れる手。
「・・・さ、わ・・・だ」
と、起きたのかと思い、咄嗟に手を引っ込める。
「・・・アフリカで、インディアンに絡まれても、ケンカするんじゃない・・・ぞ・・・」
「アフリカにインディアンがいるかよ」
思わず寝言に即ツッコんでから、あまりの自分達のやり取りの変わらなさに、頬が緩む。
まあ、1年やそこらで変わるものではないだろうが。
自分はずいぶん長い間、この空気を感じていなかった気がする。
それだけ、大切な時間だったことを今更ながら思い知らされる。
「さわだ・・・パンダと戯れるなんてズルイぞ・・・」
「だからパンダもいねーって」
「・・・心配してたん・・・だぞ。連絡・・・くらい、よこし・・・やがれ」
と、切れ切れのつぶやき。
「どっちが心配なんだか、こんなになるまで無理しやがって」
さわだ・・・さわだ、と、夢の中でも呟やかれる度に、こそばゆい思いをしながら、ゆっくりと、久美子の頬に触れた。
連絡しなかった理由は、あった。でも。
「ばーか、こっちが心配でやってらんねーよ」
思わず、口をついて出てしまった言葉。
「だったら、そばにいてやって下せぇ」
突然返事が返ってきて、驚き振り返った先には、また懐かしい顔がいた。
「テツさん・・・」
◇ ◇ ◇
暖かいコーヒーを渡される。
ぺこりと頭を下げてから、それを受け取った。
そして、10秒間くらいの沈黙の後、隣で口が開かれた。
「・・・お嬢、今年は去年以上にトラブル続きで・・・いや、トラブル自体は、慎の字のころとそう変わらないのかもしやせん。だけれど・・・」
一旦切って、慎の目を真っ直ぐ見る。
「だけど・・・慎の字、あんたがいねェ」
「・・・オレ?」
「お嬢は言ってた。慎の字がいなくなって、初めて気づいたそうだ。自分が、どれだけ慎の字に助けられていたか」
テツの言葉に、慎はその大きな目を見開いた。
がむしゃらだった。あいつを支えたくて、一生懸命だった自分。
それでも力不足で、あいつを退職の危機にもさらしてしまったことのある、未熟さがもどかしかった自分。
「初めて持った生徒達が、はみ出し者ばかりのクラス。そんな皆をお嬢は愛し、精一杯支えた。
でも人間一人の力じゃ、出来ないことがある。 振り返ると、お嬢があれだけ3Dを暖けぇクラスに出来たのは、慎の字。 お前さんが時に諭し、時に共に殴られ、守っていた仲間達との絆という土台が大きな助けだった。慎の字が事あるごとに、皆をお嬢の方へ導いてくれたからこそ、お嬢の力が最大限に発揮出来たんだ」
・・・沈黙を落とす慎。
「・・・おっしゃりたいことは分かりやす。そう、お嬢は強い人だ。一人でも、道を照らし、切り開いていく太陽のような人だ。それはあっし達の誇りです」
そうだ、あいつは強い。
だからこそ、あいつを本当に支えられるくらい、強い男になりたかった。
連絡をしなかったのも、自分なりの夢の全貌を掴むまでのけじめ、だった。
「だが、また今回みたいなことに、しょっちゅうなられるのは辛い。
・・・慎の字、おやっさんも言ってやした、お前さん程、お嬢をよく見、理解してくれたカタギはいねえ。頼む、慎の字。夢をあきらめろなんて言わねぇ。
ただ・・・どうかたまにはお嬢に連絡下せぇ。元気付けてやって下せぇ。慎の字にしか出来ねぇ。どうか・・・どうかお願いしやす!」
立ち上がり、頭を下げるテツの影が、白い廊下に伸びていた−−−
◇ ◇ ◇
静かな呼吸の音だけが響く病室。
そこに横たわる自分にとってかけがえの無い存在を見つめる。
「オレ、一年間アフリカに行って、自分の小ささと力不足を思い知らされた。・・・いや、分かってた事だけどな・・・改めて痛感したんだ。
小学校とか立てたいと思っても、権益とか資金とか色々あってさ。皆ボロボロになって頑張ったけど、どうにもならなかった」
組んだ拳に自然に力が入る。
「そんな時、向こうの大使館に勤める親父の知り合いに偶然会ったんだ。その人もアフリカの子供らの為に、ちゃんと力を持って頑張っている人だった」
身一つでないと、見えない現実がある。 自分はそれを見、夢をみつけに行った。
そしてそれは、この一年でアフリカの少年少女達と触れ合い、まだほんの一部だろうが、見ることが出来た。
しかし、身一つでは出来ない事の大きさも知った。
あいつらを守れる力が欲しい。
「その人の話を聞いて、見て、オレのすべき事が決まった。
・・もう一度、大学受ける。親父への当て付けじゃない。・・・今度は夢のためだ。
大学で学びながら、親父の元で政治も、その駆け引きも習おうと思う。
そして、必ずあいつらの為に−−」
そこで慎は言葉を止め、唐突に,
久美子の鼻をつまんだ。
「おい」
「・・・ぷはっ・・・何すんだお前!?」
「・・・寝たふりなんかしてるからだ」
呆れたように言われ、あわてる。
「いや、これはそのだな、何で分かった!?」
「・・・分かるよ」
溜息と共に、わたわたしている久美子の頭を押さえ付け。
「ほらいいから、暴れるな。また倒れるぞ」
そう言い、久美子がベットに収まったのを見てから続けた。
「ったく、・・・仕方ないから、こうやってお前のフォロー役してやるよ。お前、危なっかしいからな」
久美子はそんな慎の台詞に、きょとんとしてから笑う。
「コイツ〜、えっらそーに」
かつてのように、くしゃっと頭をなでようとする久美子の手は、ふいっと避けられた。
立ち上がる慎の横を、空ぶった久美子の手が通り過ぎて。
その時、ふっと、何か柔らかなものが久美子の額をかすめる。
一瞬落ちる、沈黙。
「・・・お・・お前、い、今何した?」
「別に、立っただけ」
「嘘つけ!いや、嘘でもないが…お前、今、立つ時、私のでこにキ・・・」
「何?」
慌てまくってる久美子を傍目に、しれっと返される言葉。
そのポーカーファイスは、相変わらず何を考えているか分からない。
仕方なく、今のは偶然当たっただけなんだと思うことにしたのか、無理やり話題を変えるように慎を指差す。
「ま、まあともかく、せ、せっかく撫でてやろうと思ったのに、思いっきり避けることはないだろ!?」
盛大にどもりながらわめく久美子の姿に、とうとう堪えられなくなって、笑いながら言った。
「だってオレ、もうお前の生徒じゃないし?」
「お、お前、私のこと一生センコーだって言ったじゃないか!」
「ソレはソレ、コレはコレ」
あさっての方を見ながら言い放つ。
「ま、これからもお前の暴走に付き合ってやるよ」
「へ?これからも?」
「そ、ずっとだ」
ニッと笑い、出て行った慎の後、そこには目を見開いたままの久美子だけが残された。
そんな、2月のある晴れた日。
何かがまた、始まった−−
◇ ◇ ◇
懐かしい並木道を過ぎると、そこには、白い校舎が見える。
自分達26人の、始まりの場所。
「おい、久美子」
声をかけると、校庭でホウキを持ち、嫌々ながらも掃除させられている、所謂ガラの悪そうな学生の群から、長い黒髪の眼鏡の女教師が顔を出した。
「慎!?どーしたんだよ、お前・・・」
ホウキを持ったまま、バタバタと駆け寄ってくる彼女。
こういう所は、今年早36を迎えても変わらない。
「弁当」
「へ?」
「弁当忘れてってたぞ」
目の前に突き出された三重箱に、ああサンキュ、と納得したように受け取る。
「って、オイ、そーじゃなくて。お前今日から2週間、またアフリカに現地視察に行かなきゃならないんじゃ・・・間に合うのか?飛行機」
「ああ、お前のせいでギリギリだ」
「すまんすまん、ちゃんと完成してるといいな。教育施設と病院! お前、あんだけ頑張ったんだからな」
満面笑顔で言う久美子の顔を眺めてから、いつものようにフッと口の端で笑い、後ろ手に手を振った。
一方、後方では。
「何だ!?あのスーツの男」
「あ?あの男、こないだ俺が、ゲーセンでヤバイ事になりそうだった時、逃がしてくれたヤツだ。ヤンクミと知り合いだったのか?」
「何言ってんだよ。あれ、ヤンクミの旦那じゃん」
1人の発言に、一瞬の間を要した後、「何ー!?」という声が校庭でハモる。
「あいつ、結婚してたのか!? って言うか、良く貰い手がいたなあ、物好きな奴がいたもんだ」
「しかも、エリートそうなイイ男!?」
掃除なんかそっちのけに、環になって口々に言いたいことを言う1D面々。
「確か国連関係の仕事してるって聞いたような。何だっけ、開発援助とかなんとか・・」
「へー・・・っておい、何でお前そんなことまで知ってるんだよ」
「ホラ、前オレが濡れ衣きせられてサツに追われてた時、ヤンクミとあの人が、親身になって助けてくれたんだ」
「ああ、あの大事件な〜、あん時は大変だった」
「そういや、この前の夜、俺らが渋谷で教頭に見つかりそうになった時、何故か教頭を引き付けてくれた謎の男ってのも、もしかしてアイツ?」
「あん時は、顔よく見えなかったけど。あんな感じだったかも」
と、話題が散らばろうとするところを、調子良さげな少年が、より面白そうな方にまとめようと声を上げる。
「とにかく!今の問題は、ヤンクミがあんなイイ男を、どうやって捕まえたかという…」
「何言うてんの。沢田は、いや、今は山口か。アイツ、白金の卒業生やで」
いつの間にか輪の中にいた、白衣の姿に瞬時、静まる。
「うわ、川島!?いつの間に!?」
「さっきからいたやん」
「そんなことより! ってことはアレか!?ヤンクミ、教え子に手ぇ出したのか!?」
「やるじゃん!ヤンクミのくせに!(笑)」
「よーし、冷やかせー!!」
「おーーー!!!」
ここぞとばかりに楽しそうに、ヤンクミを取り囲みに走る少年達。
1D全員にもみくちゃにされる久美子の威勢の良い声を背中に、歩き出す。
「相変わらず・・・面白いヤツ」
かつての自分達の姿を重ね、慎は、満足そうに微笑した。
・・・・・変わらないものが、ここにある
(Fin)
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卒業スペシャル、本当感動&感涙で素敵だったのですけれど、やはりシンクミ的にはちょっぴし物足りなさを感じてしまいました為、
自身で脳内補完してしまっていたシ ロモノがこれです。色々ご都合主義な展開で恐縮なのですが^^;
April 27, 2003
ごくせんSS 〜 「何気ない日常」

「あれは・・・前田・・・!?」
ちょっとコンビニへ買い物へ行った帰り。髪をほどいて戦闘態勢。
目の前の光景に、いざ、出陣。
「バカ!出るな!」
と、その時、唐突に腕をつかまれ、物陰に引っ張りこまれた。
「!?」
反射的に相手の腕を掴み返し、投げ飛ばそうとするが、
瞳の端に見覚えのある金のメッシュが映り、踏みとどまる。
「沢田!?何でお前こんなとこに・・・」
自分の口を手で塞ぐ相手の目を見て、叫ぶ。
「いいから隠れろ」
「何言ってんだお前!目の前でウチの生徒が殴られてるんだぞ!?
お前が見て見ぬフリをするようなヤツだったなんて・・・!」
慎の手を振り解こうとする久美子。
慎はため息をついてから、引き止めた。
「少しは落ち着け。あれは、前田の彼女の兄貴だよ」
「は?彼女の・・・?」
慎の顔の先にいる、前田を踏みつけている大学生風の青年を見る。
どう見ても、前田が一方的にボコられているようにしか見えない・・・が。
そこで、突然立ち上がった前田が、叫び声を上げながら、その青年に突進して行った。
「あいつ、ずっと相手の家族に付き合うの反対されていたんだ。
だけど、根性見せて、ボクシング選手の兄貴に認めさせること出来たら・・・ってことらしい」
良く見ると、端の方で制服の少女が、はらはらと立ち尽くしている。
「へえ・・・、青春じゃねぇか」
壁にもたれて成り行きを眺める慎を振り返り、久美子は満面の笑みを浮かべた。
「お前、そうやって見守ってたのか。万が一、ヤバそうになった時のために」
「・・・行くぞ」
久美子の言葉を無視し。無言で目をそらしてから、背を向けて帰りだす。
ボロボロになりつつも、彼女と、その兄貴に支えられながら立ち上がろうとする前田の姿を見、
「照れるなよな〜v」
もう大丈夫そうだと判断し、久美子も慎を追いかけた。
「・・・お前、やっぱりイイ奴だなっ」
そう言って、横に並んで歩き出す彼女に、一瞬だけ目を向けて。
「ばーか」
こっそり、口の端で笑った。
(Fin)
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上の挿絵を描きたいが為に、書いたようなSS.
すいません、私、どうも皆を後ろから見守る慎、ってのに弱いみたいです(笑)
慎っていつでも教室の後ろで皆を見ていて、誰かの変化には一番に気づいて、クールに世話をやく、って感じですよね。
そのくせ、隠れテレ屋で素直でなくて。
April 25, 2003
ごくせんSS 〜 「未来予行演習」

「あれ?山口先生?」
買い物袋片手に、普段聞きなれない可愛らしい声で呼び止められた。
振り返ると、見覚えのある、制服姿の少女が駆け寄ってきていた。
「なつみちゃん!」
「お久しぶりです」
「久しぶり、元気にしてた?」
なつみちゃんが兄、慎の元にやって来た事から始まった、あの事件から早1か月位だろうか。
「はい、山口先生のおかげで、家もだいぶと変わって・・・良い方向に向かっています。本当にどれだけお礼を言ったらいいか・・・」
「いいや、頑張ったのは沢田だ。私達は、沢田を手伝っただけだよ。いいお兄ちゃんだな、沢田」
久美子の言葉に、なつみはほころんだ笑顔で頷いた。
「はい、だからできればお兄ちゃんにも家に戻ってきて欲しいのだけれど・・・
そんな急には無理ですよね。・・・ただ、1人だと、ちゃんと食べているかとか、病気していないかとか、心配で・・・」
「だよな、あいつを離すとすぐ、コーヒーだけで済まそうとするし」
呆れたように言う久美子の横顔を少し驚いたような顔で見るなつみ。
「今日だって、昼何も食べていなかったから、仕方なくこうして夕食くらいはと思って、材料買ってきたんだけど。 私、料理はちょっとばかし、苦手なんだよな〜。
こないだも、炭だよ!って沢田にバカにされたし」
悔しそうに語る久美子の隣で、なつみは目を見開いた。
「お兄ちゃんに?夕食を? よく行くんですか?」
「まあ、何回目かだけどね。だから、今日こそリベンジだ。絶対、うまい!って言わせてやるぞ!」
熱く拳を握り締める久美子を見て、なつみは先日の兄との会話を思い出していた。
◇ ◇ ◇
「へ〜、お兄ちゃんの部屋、格好いいね」
もの珍しげに360度見回す妹の姿を見て、少し微笑しつつ、慎はホットコーヒーを入れた。
「ありがと。・・・ってあれ?食器、結構出てるんだね。2組ずつ?友達、良く来るんだ?」
さすが妹でも女ということか、こういうことには目ざといらしい。
「・・・まあな」
一瞬、とある顔が思い浮かんだが、きっとクマ達のことを指しているんだろうと思い、適当に相槌を打つ。
「あっ。女の人だったりして?」
慎の一拍置いた返事に何か感じたのか、からかうように寄ってくる。
中学の頃は、そのビジュアルに惹かれて告白してくる女の子と、たまに気まぐれに付き合ったりしていたようだが、どれも1週間も持たなかった。
高校に入ると、最早女の人の影さえ見えなかったが、白金に行って、多少丸くなった兄なら何かあるかもしれない。
そんな好奇心いっぱいの妹の目に見つめられ、仕方ない、というように肩をすくめてから、
「女・・・もどきなら、来るかな」
とだけ、答えた。
「女もどき・・・?」
怪訝な顔で首をかしげるなつみの前の、兄の顔は、今まで自分も見たことのないくらいに、柔らかなものだった。
--- 今日はうどんだ!うどんは焼かないからな、炭になることは無いぞ!
相変わらず拳を振り上げ、気合を入れている久美子を眺める。
「そっか、お兄ちゃんってば、もう」
「ん?何?」
久美子を見て微笑むなつみに、きょとん、と返す。
「あっ、じゃあ私そろそろ帰りますね!邪魔したらお兄ちゃんに悪いですし」
笑いながらきびすを返すなつみの手を、むんずと掴んだ。
「ええっ!?なつみちゃん、沢田ん家に行こうとしてたんでしょ?一緒に行こうよ」
「え〜と、でも・・・」
馬に蹴られちゃうのは嫌だし・・・と何とか良い理由を考える間も無く。
「いいからいいから!沢田、ああ見えてシスコンっぽいからな!なつみちゃん来ると喜ぶぞ〜♪」
買い物袋を提げた気合まんまんの女に、女子高生はずるずると引きずられて行った。
◇ ◇ ◇
もちろん、その後は。
「何だよ、これ」
「ええ〜っと、そう、あれだ! 讃岐うどん、離乳食風?」
「ドロドロなだけだろ!?」
・・・結局、なつみの作った普通のうどんを食べる3人の図があった。
不機嫌そうに文句を言う兄が、とても幸せそうだと感じたのは、気のせいでは無いと思う。
がんばれ、お兄ちゃん♪
(Fin)
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誰もが一度は妄想する(!?) なつみちゃん&久美子の話。
7話の久美子の慎の部屋への「来ちゃった♪」な若奥様シチュエーションは、シンクミ好きにはたまらないものがありv
「なに、これ」 「グラタン…炭火焼き風?」 「ってか、炭だろ!」
の、もはや新婚夫婦としか言いようの無いやりとりにも撃沈しました。最高
April 18, 2003
ごくせんSS 〜 「ねるとん」

「きっ、気にするな!別に男同士でも、ダンスのパートナー探しくらい構わないだろ?」
慌てて宣言するヤンクミに、皆が一様に顔をしかめる。
「ダンス〜?」
「そうだ!私が高校の時は、良く皆でやったんだよ、ねるとんダンス。踊りたい相手に折り紙の花を渡しに行ってな。ちなみに私、ねるとんダンスのマスターと呼ばれた程だから」
「ヤンクミが!?」
得意げに胸を張る久美子に、3D生徒達は驚きの声を上げる。
興味なさそうに肘をついていた慎も、その言葉にはかすかに瞳だけ前に向けた。
それに気付いたクラスメイトも、またその心情を知っている者はいなかったが。
「ヤンクミって人気あったのか!?」
生徒達の反応に、鼻高々にかえす。
「ああ、こう見えても名司会組長と呼ばれてな」
「って、司会かよ!」
つまんねー、と乗り出していた身を引き戻す皆。
慎も興味を無くしたように、再び机に顔をうずめた。
「ちょっと、何だよお前ら。まかせとけ!ばっちし盛り上げてやるからな!」
えいえいおー、と拳を上げる女教師とまたかよ、と呆れる生徒たちがいた。
「ウッチー!俺と組めー!」
「いや、ウッチーは俺と約束したぞ!」
紙の花を押し付けられつつ、押さえ付けられる内山、慎に最初に寄って行ったものの、睨み帰されてしまったクマ、
「俺は静香ちゃん一筋だー!」叫びつつ、ふさけて頬にキスしてこようとする男子数名から逃げ回る野田。
「なんだ、ほらちゃんと盛り上がってるじゃないか」
騒乱状態の教室を一望して、満足気に腕を組んでみたものの、一番後ろの席で机につっぷして寝ている金のメッシュ頭に、むっと眉をしかめた。
「沢田〜。せっかくだから楽しもうよ」
ずかずかと寄って行って声をかけるが、無反応。
それどころか、何度も連呼しているうちに、唐突に立ち上がって教室を出て行こうとした。
「っておい、待て沢田!」
「・・・今日、俺眠いの」
廊下で呼び止めると、仕方なくだるそうに振り返り、言う慎。
「それにほら、俺には声かからないからいいんじゃん?」
「お前なあ・・・寄って来る奴片っ端から睨むからだろ。ああもう、仕方ない!ちょっと待ってろ!」
びしっと指を突き付け、久美子はばっと教室の中に走って行く。
「ほらっ!」
息を切らして戻って来た久美子の右手にあったのは、折り紙の花。
「急いで作ったからへんてこだけどな。まあとにかく。私と踊れ!」
思わず、目を見開き。
言葉と共に突き出された花を見る。
落ちた数秒の沈黙の間、教室の中のざわめきとダンスの軽快なメロディだけが響いた。
「これでお前にも声がかかったことになったぞ! って、なんだよ、その顔。私じゃ嫌だとでも言うのか?」
目を開いたまま微動だにしない慎に、口を尖らす。
どうせ、この女教師の台詞には深い意味などない事など分かっている。
自分を帰らさない為に、咄嗟にしただけの行動。
それでも心は乱れる。今の状況はまるで・・・
「なんか、まるで告られてるみたいなんだけど」
内心の動揺を覆い隠すよう、わざと興味なさそうに、呆れたように言ってみた。
「は?・・・ばっ、馬鹿野郎!こ、これはな・・」
その言葉にハッと、司会ばかりでこんなことしたのは初めてだから、なんと言っていいのか分からず間違ってだな!とかまくしたてる。
慌てて詰め寄って来る久美子を面白そうに見てから、ふっと彼女の右手を引っ張った。
「えっ?おい、うわわわ!?」
そのまま片足で下手っぴなバレリーナのようにくるくると回される久美子。
5回転程したとこで、急に手を離されたので、たたらを踏んでしまった。
「何すんだ、沢田!」
「ちゃんと踊ったろ?」
しれっとポケットに両手を突っ込んむ慎に、口をぱくぱくさせ、そして
「お前は踊ってねえだろ!」
「じゃ、帰って寝る」
久美子の抗議を無視し、去っていく背中を呆れつつ見送る。
相変わらずな慎に仕方なく、思わずほほ笑んた。
「明日は遅刻すんなよ!」
あのどさくさに慎がポケットへ、大切そうに折り紙の花をしまった事には、気づかずに。
(Fin)
March 26, 2003
ごくせん2 SS 〜 「朝」

朝の寒さに、息が白く、体が凍る。
こんな日は、以前ならば決してこんな学生服に袖を通したりせず、適当なジャケットを着込んで、どこか暖かい溜まり場 --- カラオケボックスにでも向かっていたに違いない。
家に居るのはもちろん鬱陶しいが、あんな胸くそ悪い学校など行く筈も無かった。
「よお、小田切!今日も遅刻ぎりぎりだが、ちゃんと来たんだな」
背後からかかった朝から聞くにはテンションが高すぎて、疲れる声に振り向くわけもなく、ただ嘆息した。
「おい、何とか言えって。おはよう!とか爽やかにさ」
息を弾ませて、追いついてきた2つくくりのお下げが隣で揺れた。
爽やかに?言うわけが無いだろう。
「俺がぎりぎりなのは構わないだろうけど、お前がぎりぎりでいいのか?」
呆れたままに、無造作に指摘する。
「ああっ、そうだ!お前と仲良くしゃべってる暇なんて無いんだった。急がないと、また教頭が…!と、別にお前がぎりぎりなのも、構わないわけじゃないぞ」
案の定、相手は予想通りのオーバーリアクションで驚いた。
何て分かり易い奴。こんな奴見たこと無い。
つい内心で可笑しく思うが、表情に出す事は無く。
「お前だってしょっちゅう遅刻してるくせに?」
「べ、別に今日も寝坊したわけじゃないからな。そうそう、つい九条先生に会えた嬉しさに浸りすぎたのがいけなかった」
「九条?」
勝手に反省するように呟いた声に、思わず問い返してしまった。
確か、九条…隣の学校の教師だったはずだ。
以前、白鳥と一緒に歩いていたのを見たことがある。
「ああ。先生ったら、本当朝から爽やかに素敵な笑顔で・・・。って、何でお前にこんなこと言わなきゃ何ないんだ」
いかにも幸せそうに夢見心地に語ったかと思えば、最後は一人で勝手に怒り出す。
本当忙しい奴。
しかし、今はそれを面白いとは思えなかった。何故かは解らないが、無性に苛々する。
この謎の苛々を解消するために、つい、
「ばーか」
解らないままに、口をついた言葉。
小さく、聞こえないくらいだったと思ったのに、ふと視線を横にやれば、何か驚くべきものを見たとでも言うように、こちらを見つめている姿があった。
「何だよ」
居心地悪く、眉をしかめる。
「いや・・・今の台詞」
呆然と彼女が言葉を切った。
ばーか。
そう、いつも彼女の傍らで、呟いていた奴がいた。
斜に構えた態度で、自分は関係ないと孤高を保つように。
そのくせいつだって、誰よりも仲間の事を・・・そして、先生である自分のことも、何よりも考えてくれていたあいつ。
あいつの隠された優しさに、気遣いに。
どれだけ、助けられたか解らない。
何の反応もないまま目の前に立っている存在へ、仕方なくこちらから口を開いた。
今の?馬鹿って言った事か? そう、問いかえそうと。
その時、目の前に広がったのは、微笑だった。心からの。
先程の夢見心地とは違う、地に足の着いた…だからこそ、目をそらす事が出来ず、言葉を失ってしまう。
「ああそうだ。お前、前から何かに・・・と思ってたんだ。小田切、お前、あいつに似てる」
二重のくりくりとした、常にひとところに無い瞳を、今はただ柔らかくし、口元をほころばせる。
懐かしそうに、幸せそうに。
彼女の瞳は、完全に今は自分を映している筈なのに、見ては居なかった。
自分の向こうの誰かへと向けられた視線。
こんな --- に溢れた瞳で。
心がざわついた。
九条の名を聞いた時とは比べ物にならないくらいに。
理由など知ったことではない。
考えてもわからない。
無性に苛立たしい気分で、顔を逸らした。
そして、今出来る事といえば、どうにかこの場を壊す事だけだった。
「お前、完全に遅刻だと思うぜ。・・・職員朝礼」
平静を装ったはずだったのに、出た音は、自分でも驚くほどに硬い声。
感づかれただろうか、と瞬間焦ったが、彼女はそんな些細なことを気に出来るような、繊細な心の持ち主ではなかったらしい。
「うわわ、今何時だ!?50分!?」
そう、駆け出したかと思うと、走りながら振り返り叫んだ。
「お前も、走れ!ほら!今なら、遅刻にしないでやるから!」
小動物のしっぽのように、2つ髪を跳ねて去る後姿に、誰が朝からわざわざ走るかよ、と胸中で呟き、一つ、大きく息をついた。
何で、自分はあんなセン公一人に振り回されなければならないのか。
しかし、この件については、先程の時ほどに不快にはならなかった。
どれもこれも、理由のわからない感情ばかりだったが、一つだけ、確かな事があったから。
鞄を背中に放り上げ、ぶらりと教室へと歩き出した。
(--- まあ、この学校に来るのも、今は楽しくないわけじゃないからな)
(Fin)
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「慎クミ←竜の片思い(自覚なし)」という路線
「---」には、愛しさ、と入れたかったのですが、まだ竜に感づかせるのは変かな、と言う事で伏字で。
竜も、ヤンクミも気づいていないことです^^





